【設計豆知識:省エネ編】
脱炭素社会を目指し、省エネ性に優れた住宅設計が標準になりつつあります。
まず、省エネを住宅に取りいれる方法には様々な手段があります。
1.断熱に優れた資材の活用
2.省エネ設備の設置
3.太陽光発電などを活用して電気を生み出す
などの方法。
更には建物設計を駆使し、
自然の力を最大限活用する「パッシブデザイン」を取り入れる方法です。
今回はこの「パッシブデザイン」について簡単に紹介していきます。
1.パッシブデザインとは
周りにある自然エネルギーを最大限に取り入れ上質な室内の温熱環境をつくりながら、省エネルギーの役に立てるように建物のデザイン設計を工夫し考えていきます。
2.パッシブデザインで取り入れる自然エネルギー
① 太陽光の恩恵を受ける⇒太陽の光は灯りと熱を持ってきてくれる贈り物です。
② 風の通り道を読む⇒風は地球が作り出したエネルギーを運びます。
3.パッシブデザイン、5つの要素
上記の太陽光の恩恵と風のエネルギーを活かすパッシブデザイン設計には5つの要素をバランスよく設計にとりいれます。
■断熱・・・・断熱材をあらかじめ施工時に使用するなどで建物の断熱性能を高めます。
■日射遮蔽・・軒やひさし、植栽などで室内に日差しが入らないデザインを施します。
■自然風の利用・・・間取りや窓、ドアの位置を工夫し、風の通り道を作りエアコンなどに頼らない期間を長くする事ができます。
■昼光利用・・・昼間の光を室内に取り込み、人工照明の利用を軽減します。
■日射熱利用暖房・・太陽光から得た「熱」を利用し、コンクリートに蓄熱しながら室内を快適な温度に保ちます。
4.自然エネルギーを活かす間取りを考える
ポイントは「地域」、「立地」、「住まい手」を念頭におき、風がどこから吹きどこへ抜けていくのか、陽の光は季節や時間帯にどう差し込むのか等をポイントにデザイン設計を行います。
<間取りの設計ポイント>
① 光と影の通り道を考える
⇒都心において周辺環境に応じて廻りを見渡すとすでに建物が建っていることが多いので密集地に建てる場合は光と風の通り道を想定しておくことがポイントです。
② 間取りを立体的に考える
⇒季節によって太陽の角度、風の向きが変わります。間取りを立体的に考え室内に光りはどのように入るか夏場の太陽をどう遮るか風をどのように循環させるかがポイントです。
自然エネルギーの恩恵を受ける健康で快適な住まい。パッシブデザインは省エネにも繋がる地球に優しい住まいでもあります。
これからの住まい造りを考える上で知っておく必要のあるポイントです。是非参考にしてみてください。
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