建築設計の仕事は一般に思われているより
長い時間をかけて設計し建物が出来上がります。
そして出来た後もお施主さまとのお付き合いは続きます。
私達が通っているヘアサロンの先生は以前、
所長がブログで書いていた複合建物のオーナ-です。
先生はハサミひとつで心斎橋に自社ビルを建て、
ご自宅も含めてこれまでに3つの建物を建築しておられました。
NYのヘアショ-でも受賞されている、
とてもアグレッシブなアーティストでもあります。
建て替えのプロジェクトは、
髪の毛を切りにいった時に少し相談されたことから始まりました。
すでにプランはあったが、なにか物足りない様子でした。
それまでに私達はヘアカットをしてもらいながら、先生が生み出すデザインを身近に感じていたのでこの建て替えのプロジェクトに関しても
高いデザイン性が求められているのは良くわかっていました。
先生との打ち合わせは面白く、
良い・悪いの判断の言葉で『夢がある!』
との表現は抽象的でもあるがわかり易くもありました。
そんな先生の「想いをカタチに変える」のが私達の使命です。
そして、所長ブログにも書かれているピンチをくぐり抜けて竣工した建物は、
都心にありながらも隠れ家的な光あふれる建築になりました。
今、気づいた! 私は30数年間このサロンに通い続けている。
この長い期間、私は全然飽きずに通っているのです。
~良い機会なので飽きない理由を考えてみた~
1.デザイン論がはっきりしていて分かり易い
Ex.引き算のデザイン
パーマは、いかにかけないかがポイント。
ボリュ-ムのいらない部分はカットしてボリュ-ムのある部分を目立たせるのだ。
彫刻にも似ているし私達の仕事にもこのデザイン論は応用できる。
2.必ず望んでいる以上の提案がある。
3.カット中もなにかと面白い事を仕掛けてくる。
4.経営についても話す。
5.最後に魔法の粉をかけているんではないかと思う。自分に自信が持てるのだ!。
6.帰る時はテンションが3段くらい上がり、心斎橋の街を胸張って歩いている。
要はヘアデザインだけでなく、
この先生の生き方やファッションセンスに興味や憧れを持ち、
次から次へと新しい事に挑戦されている事に触発されて
私の仕事である「設計」への意欲を高めてくれる「原動力」となっている。
だから先生の湧き出る感性に触れたくて、
私はショートカットを続けているのです。
私達も、お施主様が飽きないようなプロジェクトデザインを続けて、
自分自身もかっこ良く生きながら
常に新鮮な提案を出来る状態を維持し続ける事が
この先何十年も設計事務所を続けていく上で重要なポイントであると
ヘアカット中に思うのでした。
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